助さん・格さんのドライバー日記
格さんのひとり言  

吹雪の妙高越え



曇り空に、ため息をつきながら富山へと大型特殊クレーンを走らせた。

長野市あたりから外は吹雪となり、苛立つ心に宮本武蔵の五輪の書から学んだ、
拍手の調子に合わせず、おのれの調子を保ってと自分に言い聞かせながら、
ため息を静かな呼吸へと切り替え、自然体の心境を心がけながら走り続けた。

妙高山は吹雪で全く先が見えず、高さ5mを越える雪壁を拝みながら、
ハンドルを握り締める手は汗ばみ、緊張と不安の鼓動が聞こえる。

この先の天候の変化を感じ取り、また期待しながら長い新井の坂を下りると、
まぶしい日差しと、冬景色の日本海が見えた。

あの川端康成の雪国の世界が広がっている。
目の前の日本海は命の豊かさを輝き放っているようで、
難所を越えた安堵感も重なり胸が熱くなる。

しばらく走ると狭いトンネルが続く。
さっきまでの安堵感はどこへいったのだろう。

人生は矛盾だらけで生きることは大変だと思うことはよくある。
でも、悲しむ時もあるが、喜ぶ時もある。
涙を流す時もあるが、笑うこともある。

今回の陸送に似たようなものだ。





このページへのご感想・応援メッセージはrikusomura@gol.com
トップページに戻る
Copyright.(C) 2001 Rikusou Village.All Rights Reserved
記事・画像等を無断で転載することはできません。
・このページへのご意見・ご要望はrikusomura@gol.com